「Excelと手作業でなんとか回っているけれど、そろそろ限界かもしれない」。福岡・大分の中小企業から、業務システム開発の相談をいただくときに、いちばん多い出だしです。そして次に出てくるのが、「何から話せばいいのか分からない」という戸惑いです。
この記事では、費用の話には深入りせず、業務システム開発を依頼する前に何を整理しておけば、話がスムーズに進むかを、頼む側の目線で整理します。
福岡・大分の中小企業がシステム開発でつまずくこと
相談を受けていて感じるつまずきには、いくつか共通のパターンがあります。
- 「こんなシステムが欲しい」という完成イメージだけが先行し、今の業務の何を解決したいのかが後回しになる
- 現場の困りごとが、担当者や一部のベテランの頭の中にしかなく、誰も言語化していない
- 依頼したあとに「実はこの作業もある」「この部署も関わっていた」が次々出てきて、仕様が二転三転する
- 「せっかくだから」と機能を広げすぎて、開発期間も費用も膨らんでしまう
共通しているのは、依頼する前の整理が足りないまま、相談の場に臨んでしまうことです。開発会社側でヒアリングはしますが、現場の実情をいちばん知っているのは、やはり依頼する側です。
依頼前に整理しておくこと
大がかりな資料を作る必要はありません。次の3つを、社内でざっくり書き出しておくだけで、最初の相談の質がまったく変わります。
今の業務の困りごと
「時間がかかりすぎている」「ミスが起きやすい」「担当者しか対応できない」など、日々の業務で感じているストレスを、正直に書き出します。この段階では、システムでどう解決するかは考えなくて大丈夫です。まずは困っている事実だけを集めます。
Excelや手作業の棚卸し
どんな一覧表・台帳をExcelで管理しているか、どの作業を紙や口頭でやり取りしているかを、思いつく範囲で書き出します。「どのファイルを、誰が、どのタイミングで更新しているか」まで分かると、開発会社側の理解がぐっと早くなります。
関わる人
その業務に関わる部署・役職・人数を整理します。現場の担当者だけで完結する業務なのか、複数部署をまたぐのか、外部の取引先とのやり取りが絡むのかによって、システムに求められる要件は大きく変わります。意思決定に関わる人と、実際に使う人が違う場合は、その両方を洗い出しておくと後の手戻りを防げます。
「何を作るか」より「何を解決したいか」から始める
相談の場でよくあるのが、「在庫管理システムを作ってほしい」「予約の仕組みが欲しい」といった、完成物のイメージから会話が始まるケースです。これ自体は悪いことではありませんが、その手前に「何を解決したいか」があるはずです。
たとえば同じ「在庫管理システムが欲しい」でも、目的が「発注ミスを減らしたい」なのか「在庫の見える化で欠品を防ぎたい」なのかで、必要な機能もデータの持ち方も変わってきます。作りたいものの名前ではなく、解決したい困りごとから話すほうが、開発会社側も的確な提案がしやすくなります。
地元・近い開発会社に頼む利点
システム開発は、遠方の会社やオンラインだけの取引でも進められます。それでも、福岡・大分の地元、あるいは近い距離にある開発会社に頼む利点は確かにあります。
いちばん大きいのは、実際の現場を見てもらえることです。オフィスの動線、現場での紙のやり取り、実際に業務を回している人の様子は、ヒアリングシートの文字情報だけでは伝わりきらないことが多くあります。担当者が現地に足を運び、日々の業務を目にした上で提案してもらえると、要件の解像度が上がります。
また、開発後も継続して付き合う相手になるため、何かあったときに顔を合わせて相談できる距離感は、地味に安心材料になります。
依頼から導入までの進め方
一般的な進み方の目安は、次のようになります。会社によって呼び方や区切り方は違いますが、大きな流れは共通しています。
- 初回相談 — 困りごとと大まかな状況を伝える
- ヒアリング — 現場を見てもらいながら、業務の流れと関わる人を確認する
- 要件整理 — 「何を解決したいか」を軸に、必要な機能や優先順位を整理する
- 提案・見積り — 整理した要件をもとに、進め方と概算を提示してもらう
- 開発・試験導入 — 一部の業務や部署から先に使い始め、現場の声を反映する
- 本稼働・保守 — 全体に展開し、運用しながら改善を続ける
この流れのうち、依頼する側が主導権を持てるのは1〜3の部分です。ここで整理が甘いと、4以降の提案の精度も落ちてしまいます。
まとめ — まずは「困りごとの棚卸し」から
業務システム開発は、完成イメージを固めてから相談するものだと思われがちですが、実際にうまく進む依頼は、困りごと・棚卸し・関わる人の3つを整理した状態で相談が始まっています。会社によって進め方や得意分野は違うので、まずは今の業務のどこに困っているかを、正直に書き出すところから始めてみてください。
VECTでは、福岡・大分の中小企業の業務システム開発を、ヒアリングから要件整理、開発、導入後の運用まで対応しています。「何から整理すればいいか分からない」という段階でのご相談でも大丈夫です。費用の考え方については業務システム開発の費用は、どう決まるのかの記事も、あわせてご覧ください。システム開発サービスのページもご確認いただけます。